2005.
10.
21

1週間、甲州の高原に滞在し、林の中を歩いたり、絵本の図書館に行ったり、地元の人とお話をしたり、今後の方向性を見極めたり、してきました、
一言で言うと、のんびり、ぼーっとしてきた、ということです。
久しぶりに自分のためにゆっくりした時間をつくりました。
何年ぶりでしょうか。
今日、旅の最終日は、松本で窪田空穂記念館に立ち寄りました。
そこでの企画展がすばらしかったのです。
島秋人 という、死刑囚の短歌と、歌人としての生涯が、窪田空穂との往復書簡を中心に展示されていました。
極度の貧困と、貧困により、教育を受けられなかったこと、愛情の欠落などから、開き巣に入った先で殺人を犯し、死刑の判決を受ける島秋人。
小学校の先生にたった一回褒められた、そのことだけが嬉しいこととして残っていて、獄中で短歌を作り、新聞歌壇に応募します。
その作品が選者の窪田空穂の目にとまり、幾度か新聞に掲載されます。
そのうちに書簡(手紙)をやり取りするようになり、島秋人は、窪田空穂を師として慕い、素直な心を表現していきます。
90歳を目前にした晩年の空穂と、処刑の日がいつか知らされず、常に死を意識している島秋人の書簡は、胸を打ちました。
そして、島は、こうしたやりとりを通して、罪を反省し、見事に心が更生されていきます。
当初国選弁護士だった人も、島の改心に心を打たれ、自ら進んで彼を支えました。
島のエピソードは、教育界にも大きな影響を与え、様々な作者により著作が残されており、テレビドラマ「金八先生」でも取り上げられたそうです。
斉藤喜博氏著『君の可能性━なぜ学校に行くのか』の一文には「人は誰でも無限の可能性を持っている」と、書いてあるのでした。
涙なしには見られない、素晴らしい展示でした。
文学愛好家のみならず、コーチングや教育に関心のある方にもぜひ見ていただきたいと思いました。
*旅の間にアップできなかった日記は、電波の都合で届かなかったものです。順次、アップして行きます。
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