2010.
09.
29
ある企業さんに、「しごと支援窓口」があります。
今ほとんどの大きな企業に入っている産業医の先生と、保健師さん、カウンセラーの方からなる、メンタル疾患になった方対象のカウンセリングとは異なる役割を、この窓口は負っています。
それは、メンタル疾患とは関係のない、ちょっとした仕事上の悩み(コミュニケーションのことや、仕事の進め方、管理職としてどう部下指導するのか、といったことなど)を、対話を通して解消していく窓口で、わたしはコーチとして、そちらの窓口で関わらせていただいています。
この取り組みは既に5年目に入りました。
ちょっとした悩みを聞いてもらって語るうちに、すっきりとしてまた前に向かうことができる。
小さなガス抜きはとても有効です。
こうしたことを重ねることで、メンタル疾患を予防できるのですし、問題が大きくなる前に未然に防ぐことができるのです。
銀行に勤めていた頃、職員として働きながら、こうした第三者がいてくれたらどれほどスムーズに仕事が進むだろうか、どれほど、ひとりひとりのストレス度が軽減され、誤解が解消され、楽になれることだろうかと願っていたものです。
その役割を担うことが出来るようになって、とても嬉しいです。
と同時に、こうした存在が社会や組織に、もっと広がっていくことを願っています。
面談は45分間。初対面の方と1回のみの関わりがほとんどですが
「聴いててもらってすっきりしました。こんなこと社内の人には言えないですからね」
「聴いてもらうだけで、こんなにラクになれるとは思わなかった」
「飲み屋以外でこんなに愚痴が言えたのは初めてです。ありがとうございました。」
という方々や、コミュニケーション上の悩みでは
「今おっしゃったことをそのまま言ってみたらどうですか?○○さんが部下の方のことを真剣に思っていることが伝わりますよ。どうしてあげたら一番良いんだろう?とあれこれ悩むより、先にそのまま聴いてみるだけで良いんじゃないですか?」と伝えることで、背中を押されて「そうですね、そうします。」と行動に移される方など、
「これでいいんだ」と確認できるだけで勇気をもらって帰っていかれる方
など、さまざまです。
ほんのちょっと、誰かに相談できると、勇気をもらえるものですし、自分を肯定したり自信を持つことにつながる。
ほんとうに些細なことのようですが、その社会に与える効果は絶大なものがあると思っています。
カウンセリングに通わなければならないほど悩んでしまう前の、ちょっとしたガス抜きに、しごと支援窓口のような場が、日本の企業の中に、増えていくことを願っています。
そして、今日はその窓口に関わっている全員の方々が集合して勉強会、そして懇親会でした。
5年目にもなると、すっかり同僚のようになっていて、顔を合わせると楽しいひと時となります。
こころのあたたかい、思いやり深いそして、ユーモアたっぷりの皆さんとのひとときを楽しんだのでした。
ありがとうございました。
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